「Baskerville FAN-TAIL the 9th.」 VS. Forced persons
「……え〜と。忘れ物ない? ハンカチは? あ、筆記用具とかちゃんと入ってる? そうそう。それから紹介状と交通費。ちゃ〜んとリュックに入ってる?」
落ち着きという動作をどこかに置き忘れてしまったんじゃなかろうか。そんな慌てぶりを見せているグライダ・バンビールはいきなり頭をコツン、と叩かれた。
「グライダ。あなたが面接する訳じゃないんだから、そんなに慌てる必要ないでしょう?」
「痛いわね、コーラン。そんな事言ったって、このコがちゃんと試験会場まで行って、一人で面接なんてできると思う!?」
頭を叩かれたグライダが指をさしているのが、とても双子の妹には見えない程幼い外見の自分の妹だった。
「セリファ、ちゃ〜んと一人で行けるもん」
セリファ・バンビールは姉の顔を見上げて少し頬を膨らませている。そんな妹を見て、
「わかったわかった。急がないと遅刻しちゃうわよ」
「は〜い。じゃあ、おねーサマ。コーラン。行ってくるね」
セリファはパタパタと家を出て行った。
しばしの間、玄関で何も言わずに立ち尽くす二人。やがて、居間の時計が七時を告げるベルを鳴らした。
「さて。今日の夕食はどうしようかしら」
「夕食って、何にするかもう決めるの?」
「当たり前でしょう? 私、夜いないわよ」
「えっ!」
そう言われたグライダは、慌ててそばにかかっているカレンダーを見る。
確かにセリファの字で「めんせつ」と書かれた隣にコーランの字で「講師」と書かれている。
「だから、今から考えておかないと。それとも、グライダがやってくれる?」
「……意地悪」
別にグライダは料理ができないという訳ではない。きちんとできる。料理自体はかなりの腕前だ。
ただ、片づけながら料理をするのがどうしてもできないので、台所はしっちゃかめっちゃか。
あと片づけに倍以上時間がかかってしまうので嫌がるのである。
「……今日の夕飯は何がいい?」
「……任せる」
コーランは少しばかり考えるそぶりを見せて、
「……じゃあ、椎茸ご飯に椎茸の味噌汁に椎茸の煮物に椎茸の炒め物。それから、椎茸の天ぷらに決定」
「それだけは勘弁して」
グライダは自分の唯一の苦手な「椎茸づくし定食」をひきつった笑顔で断る。
「食後に椎茸ケーキと椎茸茶ね」
「だから勘弁してってば〜」
半分泣きそうになりながらグライダが懇願した。


世界で最も不可思議な港町として名高いこのシャーケン。
ここにも、朝はきちんとやってくる。
同時に、面倒な騒動までやってくる。
平穏な日は、一日としてなかった。
この広い町のどこかで、必ず誰かがはた迷惑な騒動を引き起こし、巻き込まれるのだ。
だからこそ、ここへ来れば——どんな職種であれ——仕事にあぶれる事はない、とまで云われている。


シャーケンの町の駅に着いたセリファを待っていたのは、どう聞いても普通ではない「ドカン」という轟音と、悲しい知らせだった。
「たった今、五番線ホームにて車両事故が発生しました! 復旧の見通しは立っておりません」
そう言いながら駅員達も対応にてんやわんやしていたのだった。セリファが乗る電車の来るホームである。
復旧までどれだけ時間がかかるか判らない。
「どうしよう。これじゃ間に合わないよ」
いつものようにギュッと腕に力を込めるが、今日は肌身離さず持っているグライダのぬいぐるみはなかった。
「そっか……。今日は『めんせつ』だから、おいて来ちゃったんだ」
悲しそうにポツリと呟くセリファ。
でも、このままでは状況は何も変わらない。復旧を待っていたのではいつになるかわからない。
かといって、他の交通手段では電車の倍以上時間がかかってしまい、やはり間に合わない。
公衆電話を使って連絡を入れようとしたセリファだったが、ふと、彼女の頭に良いアイデアが浮かんだ。
セリファは手近の駅員を捕まえて、
「おじちゃん。セリファにお手つだいさせて」
駅員はいきなり下の方で「おじちゃん」と呼ばれて驚き、困惑しながらもセリファを追い返そうとするが、
「おっ。あれはセリファちゃんじゃないか!」
この町ではちょっとした有名人でもある彼女に、周囲の期待の声がかかる。何を隠そう私設ファンクラブめいた物まである程だ。
「おい、駅員のおっさん。セリファちゃんにやらせろよ。その子はすっげぇ魔法使いなんだ。心配いらねえよ」
そうだそうだと回りの野次馬から声が上がる。その迫力に負けて、駅員は渋々彼女をホームに招き入れた。
案内されたホームには、本来なら来ない筈の蒸気機関車が停車していた。話によれば、いきなりここに落ちてきたとの事。
もちろん起きてまだ十分も経っていないから警察だって到着していない。
まだ石炭を入れていないので、機関車を動かせるようになるまでには、落下のショックで故障した箇所はないかを点検する時間も含めてかなりの時間がかかる。
運良く線路に乗っているので、何とかして駅員も車両を動かしたい所だが、機関車を牽引できる車両がまだ来ておらず、魔法で動かすにも使い魔にやらせるにしろ、この場にいる人員ではパワーが足りないようだった。
セリファは周囲の状況をじーっと見た後、背負っているリュックサック(実は、コレもグライダの形をしている)の中から、自分専用のトラッドカードを取り出した。
彼女はこのカードに描かれた絵を実体化させる魔法が使えるのである。
別に町中で魔法を使う事は禁じられてはいない。ただ、人を傷つける物・辺りに被害が出る物に関しては厳しく取り締まりがあるが、そうでなければ見て見ぬフリである。
セリファはその中から「悪魔(デビル)」のカード一枚だけを取り出して、意識をカードに集中させる。
「神秘のトラッドの力、我が前に見せよ!」
その直後、カードの表面がボコボコと膨らんだかと思いきや、そこからぬっと現れたのは一目で魔族の者とわかる、鍛え上げられた肉体を持った褐色の肌の大男。辺りはいきなり出現した男に対して驚きとどよめきが広がっている。
セリファは、その大男に向かって静かに言った。
「ねえ。あのきかん車うごかして」
男は何も言わず機関車に近づくと片手で無造作にグイ、と押した。多少車輪の動きが悪いようであったが、機関車はいとも簡単にスルスルと動きだす。
駅員が驚く中、とりあえず誘導に従って通常ダイヤに影響ない場所へ入れる。
それを見届けたセリファはニッコリ笑顔を浮かべたままその場に倒れてしまった。
同時に、その大男の姿もかき消えた。


その日の午後、セリファが病院に運ばれたという知らせで飛んできたグライダとコーランは、警察や駅員からいろいろ質問責めにあっていた。セリファの意識がまだ戻ってない以上、応対は二人でなければできまい。
部屋は(何処から聞きつけたのかは知らないが)セリファちゃんファンクラブ会員から送られた、たくさんの花束やら果物やらぬいぐるみやらであふれている。
質問責めと見舞品の運び込みが終わり、セリファが今日会う予定の人物がやってきたのは面会時間終了間際だった。
「……そうですか。彼女がやったんですか」
一分の隙もなく少々年代物のスーツを着込んだ初老の男が驚きを隠せぬままそう言った。
知らせを聞いて飛んできた彼——フランクリン教授は最初は落胆した顔を隠せなかったが、二人から事情を聞くうちに笑顔が戻ってきた。
「実は、あたしも妹から『めんせつ』としか聞いてなかったので、詳しい事はわからないんですけど……」
グライダが彼にそう言うと、コーランが説明してくれた。
「このフランクリン教授は、魔界に本校がある、魔法大学院の教授なのよ。隣町にこの分校があるんだけど、前々からウチに来ないかって誘いがあったの。セリファの魔法の才能を埋もれさせるのは惜しいからって」
フランクリンは、コーランの言葉に続けるように、熱っぽく拳を握りしめ、
「そうです。彼女の才能は、開発と訓練次第で歴史に残るくらいの術師になる事も不可能ではないと、私は思っています。当大学院には著名な術師いますし文献も豊富にありますから、魔術の勉強に不自由はしないでしょう。彼女の高校時代の成績も問題はないのですが、いくら何でも私の一存で入学させる事はできません。それで……」
「で、面接ですか」
グライダがセリファの額に手を当てて呟く。
「まあ、寂しい気もしますが、セリファが自分で決めた事なら、あたしは何も言いません」
嬉しくもあり、寂しくもあり。そんな感じのグライダだった。
「面接はできませんでしたが、この事件を報告すれば、審議会を動かせるかもしれません。何せあれだけの事故をあっさり片づける魔族を召還できるんですから」
そこに、面会時間終了のチャイムが流れる。それを聞いたフランクリンはスッと立ち上がると、
「私は大学院に報告に行きます。では、失礼。どうかお大事に」
そう言って、部屋を出て行った。
「さて。私はこれから仕事に行ってくるわ。セリファの事、よろしくね」
そう言って、コーランも出て行った。


その頃、魔界治安維持隊(まかいちあんいじたい)人界分所所長ナカゴ・シャーレンは、分所近くの公園で買い食いの真っ最中だった。
「ナカゴさん。今仕事中でしょ?」
魔界出身の屋台の主人は呆れた顔でそう言いながらも、彼女の注文した豚肉の串焼きをほいと手渡す。ナカゴもそれを笑顔で受け取ると、
「ウチの商売は身体が資本ですからね。食べられる時に食べておかないと」
朝起こった「蒸気機関車がいきなり落ちてきた」事件の指揮等もあるのだが、それを部下に任せて、自分は仕事をサボっているのだから、実に苦しい言い訳である。
豚肉には疲労回復の作用もあるビタミンB1が多く含まれている。それに、つけあわせのにんにくにはそれを増強させる成分も含まれている。
確かに彼女のように身体が資本の商売には合った食べ物と言えるかもしれない。
ナカゴはあっという間に串焼き二本を平らげた。
「ほら。こいつはおごりだよ」
主人が放ってよこした小さなリンゴを受け取り、そのままかぶりつく。
その時、屋台の主人が目を点にしている事に気づいた。自分の食べっぷりに呆れているのか、と思っていたが、視線は自分の後ろに行っている。
ナカゴは不思議に思って振り向いてみると、彼女も目を点にしてしまった。
そこに立っていたのは、がっしりとした体格の男だった。
それだけならなんて事はないのだが、問題はその男の格好だった。
隣の国・メインナール王国の紋章入りの甲冑をつけているのだ。ご丁寧に頭をすっぽりと覆うタイプの兜まで。
さらに言うなら、その兜に甲冑のデザインを全く無視した、よくわからない奇妙な紋様が描かれている。
いきなりこんな人物が立っていたら、確かに目の一つ二つ点になっても不思議ではあるまい。
(どう考えても場違いねぇ)
ナカゴが妙に冷静にそう考えていた時、いきなり男は剣を抜いて横凪ぎに切り払った。
彼女は間一髪でその剣をしゃがんでかわした。だが、屋台の柱は見事に砕け散り、主人はもちろん、公園にいたみんなが悲鳴を上げて逃げていく。
「何者です!」
ナカゴはすかさず腰のリボルバータイプの銃を抜く。この世界では正規軍以外あらゆる銃火器の所持は認められていないが、ナカゴは魔界の住人にして治安維持隊隊員。携帯はもちろん、非常の場合には発砲も許されている。
そして迷う事なく至近距離から男の胴めがけて立て続けに発砲した。魔界謹製の、魔術強化された鉄板をもやすやすと撃ち抜く特製弾だ。
しかし、ここで彼女はさらに驚く事になる。
確かに弾丸は男の胴に命中していた。甲冑の胴の部分には確かに弾痕が刻まれている。しかし男は何事もなかったかのように剣を両手で持ち、勢いよく振り下ろす。
ナカゴはそれを紙一重で転がってかわすと、再び発砲。全弾命中。
だが、男は全く気にした様子もなく、剣で斬りつけてくる。
「キリがないわね!」
もう彼女の銃に弾は入っていなかった。さすがに勤務中とはいえ、今日は銃を使う任務ではないため補充できる弾丸など持っていない。
男は構えを変え、切っ先をナカゴの方に向ける。弾切れとわかって一気に勝負をつける気なのだろう。一足飛びに男が飛びかかってきた。
でも、ナカゴの手には鉄の塊と化した銃が一挺のみ。とっさに銃で切っ先を受け止めるが、あっさりと弾き飛ばされる。
男は間髪入れずにもう一回剣を振り下ろした。このタイミングでは避け切れない。そう悟った彼女は小さく叫んだ。
「鉄よ!」
振り下ろした剣が彼女の肩に当たる。だが剣が当たった途端、剣が真っ二つに折れた!
そこに、騒ぎを聞きつけたナカゴの同僚が駆けつける。
「所長! ご無事ですか!?」
さすがに多対一での不利を悟ったのだろう。男は折れた剣を投げ捨てると一目散に逃げ出していった。
部下の一人がナカゴに駆け寄り、斬られた肩の治療をするために呪文を唱えようとして、
「所長。肩……斬られた筈ですよね?」
服は確かに斬り裂かれているのだが、彼女の肩自体にはうっすらと跡が残っているのみだった。
「ああ、これ?」
ナカゴは何気なく肩を払う仕種をして、
「私の先祖は鉄の神ですから。身体を鉄のように硬くする事くらい簡単です」
サラリと言ってのけた。
魔界に住む魔族には、生まれつき魔法が使える者が多い。しかも生まれつき使える魔法は「呪文の詠唱を必要としない」のだ。「出したい」と思えばすぐに発動する。
ある程度の応用は効くものの、威力の方はいくら鍛えても大して強力なものにはならない。でも、魔法最大の欠点である「呪文の詠唱時間」という隙を作らない、完璧に近い魔族のみの魔法である。
「所長。先程の人物には、生命反応がありませんでした」
所員の一人がいきなりそう告げた。
「生命反応があれば、分所の探知機に反応がある筈です。それがないという事は、あのメイン・ナール王国の甲冑の男は『生きてはいない者』です」
「生きてはいない……」
ナカゴは少しの間考え込んでいた。
「所長。先程の男を照会したのですが、元メイン・ナール王国近衛兵と判明しました」
さっきとは別の所員がそう告げる。ナカゴは「元」とつけた理由を問いただすと、
「先日この町で起こりましたメイン・ナール国王暗殺未遂事件の際に、失敗して殺されているそうです」
そこでナカゴは、本部からの通達文を思い出した。
「本部の情報にあった『死者使役の法』が人界に出回っているという噂。本当かもしれませんね」
そう言いながら自分のポケットをあさる。それから、その所員にすっと手を出して、言った。
「あのさ。あなたの携帯、貸してくれない? 自分の忘れてきちゃって……」


ダンダンダンダンダンッ!!
「クーパーブラック様! 神父様!」
オニックス・クーパーブラックの住む教会の扉が荒々しく叩かれる。彼の名を呼ぶ女の子の声も、戸を叩く音と共に聞こえてくる。
「はい。どちらさまですか」
もうすぐ日も暮れるという時刻にもかかわらず、優しそうな笑顔で彼が応対に出るなり彼女は一気にまくしたてた。
「ああ。いらっしゃった。わたくしを覚えておいででしょうか? バーナム様の同郷の者スーシャ・スーシャでございます」
もちろん彼は彼女の事を覚えていた。
「ああ。スーシャさんですか。お久しぶりです。こちらには、どんなご用件でいらしたのですか?」
「申し訳ありません。バーナム様は今どちらにおられますか!? ご自宅にはいらっしゃらないので、心当たりはこの教会かグライダ様のご自宅しかないのですが、グライダ様方は外出中との事で……」
一気に言いたい事をまくしたてるスーシャに乾いた笑いを浮かべるクーパーだが、その中に何か尋常でない雰囲気を感じ、
「お急ぎなのはわかりますが、もしかしたらバーナムが夕食目当てに教会に来るかもしれません。ゆっくり待ってみませんか?」
スーシャは首を縦に振った。
「おーい、クーパー。何か食わせてくれ〜」
教会の奥でそのバーナムの声が聞こえた。
「……やっぱり」
クーパーがガクッと肩を落とした。
それから二人を中に入れ、簡単に二人分の食事の追加の準備をする。その間、スーシャはかなり大袈裟な身振り手振りと情景描写を交えて語り始める。
スーシャが探していたバーナム・ガラモンドは、彼女の大袈裟な話を聞き流しながら、冷蔵庫の中の物でそのまま食べられそうな物をちびちび食べていたが、語りのテンションが頂点に達した所のスーシャの言葉を聞いて、ゴホッとむせてしまった。
「墓荒らしってなぁどういう事だよ!」
「墓荒らしとは、穏やかではないですね」
クーパーも深刻な顔だ。その深刻な顔を見てスーシャは更に続けた。
「はい。一つだけ墓が掘り返されて、棺が持ち去られました。持ち去られたのはバーナム様のお父上フーツラ・ガラモンド様のものです」
「親父かよ……。何だってそんなもん。別に高価な棺って訳じゃねーし、価値のあるモンだって入っちゃいねーぜ」
そこで、バーナムとスーシャはクーパーの方を向いて、
「わかるか、クーパー?」
「わかりませんか、神父様?」
しかし、そう言われてわかる程、彼も勘が鋭い訳ではない。だが、墓荒らしがやる事といえば、財宝目当てという線が濃厚だが……。
ガンガン。
いきなり窓ガラスが叩かれてそこを見ると、戦闘用特殊工作兵のロボット・シャドウが立っていた。シャドウはクーパーが窓を開けるなり、何かを突き出した。
「仕事だ。内容は確認してある」
そう言って手にしたビデオテープを見せる。バスカーヴィル・ファンテイルの仕事だ。
しかし、バスカーヴィル・ファンテイルは特殊秘密戦闘部隊。そのメンバーではないスーシャの前でこの話をする訳にもいかない。だが、この状況で彼女を追い返す訳にもいかなかった。
「……待て。大勢の人間が此所に来るぞ」
シャドウが暗くなった町の方を見ると、確かに何人かの人が急いでこちらに向かってくる様子が見えた。
「何かあったんですか!?」
窓枠に手をかけ暗がりに向かって叫ぶ。やがて一人の男がシャドウの側に立ち、
「よかった〜。おいででしたか、クーパーブラック神父。実は、町で変な男が暴れ回ってケガ人や死人が!」
「何ですって!?」
彼は窓枠から身を乗り出す。
「警察はもちろん魔界の治安維持隊の方も出動しておりますが、神父様は剣術の達人と聞いたものですから、コレは神父様にもお願いしようとしたのですが、電話が繋がらなくて……」
実は、変な男が暴れたせいで電話線が切れていたのだが、そんな事は彼らにわかる訳もない。
「わかりました。急ぎましょう! シャドウ、申し訳ないですが、そのビデオの件は……」
「問題無い。仕事はその男の事だ」
その答えを聞いて、彼はマントと日本刀を持って一同と町へ向かった。シャドウのレーダーによると、もうすぐという所まで来た時、
「みんな、散れっ!」
突然バーナムが叫び、それに反応してみんながサッと散った直後、上から何かが落ちてきた。
それは道すがら聞いていた「変な男」に間違いなかった。

<To Be Continued>


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