トガった彼女をブン回せっ! 第7話その5
『さすがにマズイのでは?』

戦いは終わった。
巨大な蛇型のエッセは倒れ、呑み込まれた人々も「戦乙女の剣(いくさおとめのけん)」の力で無事だった。
もっともスオーラが推測するには、呑み込まれて時間が経っていなかったから無事だったのであり、時間が経っていたら助からなかったかもしれないとの事だった。
それを聞いた昭士は、床に置いたままの戦乙女の剣――いぶきにむかって、
「お前が人を助ける気はないってゴネてたから、人が結構死にかけたぞ。人を殺しかけた気分はどうだ」
『知ったこっちゃないわよ。誰が死のうが生きようが。それより終わってるンならとっとと元に戻しなさいよこのバカアキ。っとに気が利かないわね。だからバカアキだってのよ。いい加減「自分はバカです」って自覚して行動して欲しいンだけど』
反省も後悔も微塵もなし。いつも通りの調子で昭士に文句だけをぶつけるいぶき。
言ったところで何も変わらないのが判っているのに、言わずにはおれないこの心境。もう幼稚園の頃から何度も何度も繰り替えしてきた葛藤は、もはや昭士の日常の行事だ。
そんな一連のやりとりをぽかんとしたまま眺めていた警察官四名。
「すごい。これほどとは思わなかった」
目を皿のように見開いたまま、渚署長が呟いた。
化物を倒す戦士。マンガやアニメではお決まりの存在。そんなものを間近で見られた(この世界の)人間は数える程しかいないだろう。そんな言葉しか漏れない気持ちはよく判る。
かく思う昭士も「ホントに自分がやってるのかな」と自問するくらいだ。ホントにやっているのだが、やっぱりどことなく自分ではないと言うか。他人事のように見えると言うか。
そしてスオーラは短剣を持ったまま署長の前に立つと、
「有難うございました。この短剣がなければ、あのエッセは倒せなかったでしょう」
冷たい印象を与える外見に似合わぬ優しい笑顔。本当に感謝を示す演技ではない笑顔。これに心を動かされない人間は少数派だろう。
署長は年甲斐もなく昂った心を見透かされまいとあれやこれや訳の判らない事を言ってごまかそうとしている。
『わっちも、お役に立てて何よりでありんすぇ』
ジュンと名乗った短剣も、花魁言葉で嬉しそうに言っている。
「ところで、ジュン様とおっしゃいましたが」
『「様」は要りんせん。ジュンで結構でありんすぇ』
敬意を払うべき相手を尊重する性分のスオーラ。いくら「様」は要らないと言われても、敬意を払う相手を呼び捨てにするのは、どうにも居心地が悪いらしい。あのいぶきにすら「様」をつけるくらいなのだから。
「いいじゃないか、言わせとけよ。そのうち慣れるから」
困った顔のスオーラを見かねて、昭士も短剣に向かってそう声をかける。その声を聞いた短剣は、
『ぬしも強いでありんすね。ぬしの名は?』
昭士はわざとらしい少々過剰な演技の声で、
「姓は角田、名は昭士。アキとかアキシとか呼ばれてるから、お前もそう呼んでくれ」
『わかりんした、アキ殿』
そう言い合っている間に、廊下に漂っていた冷気はだいぶ薄れてきていた。エッセが倒された事で空調を元に戻したのだろう。それから各署員達は大急ぎで建物の被害をチェックしているそうだ。
「スオーラさん。その短剣はあなた方が持っている方がいいでしょう」
署長がスオーラに優しくそう言った。
「理由や事情は判りませんが、その短剣には何やら不思議な力があるようだ。さっきのように戦いの役に立つ事でしょう」
「あ、あの署長。それはそうですが、さすがにマズイのでは?」
署長の提案に鳥居が口を挟む。
スオーラの世界ではともかく、昭士達のいるこの世界――というよりはこの日本という国は、刀剣類、銃器類を一般人が所持する事を固く禁じている。
この警察署界隈なら顔パスで済むかもしれないが、他所の警察署の管轄で事件が起きでもしたら。そこにこの短剣を持って行ったのがバレたら。面倒な事になるのは間違いない。
「そうか……」
よく考えてみれば鳥居の言う通りである。
そこで、昭士の携帯電話がまた震え出す。急いで取り出すと、かかってきていたのは学校のクラスメイトからだった。スオーラを連れて来るよう言った友人である。
「はい。スオーラの件ならまだだけど?」
『そうじゃねえよ。お前学校の駐車場にドでかい車停めてるだろ? あれ退かせって教頭が騒いでんだよ』
確かに昨夜この世界に帰ってきた時、スオーラが運転する車を学校の駐車場に置かせてもらっていた。
「よく判ったな」
『そりゃ判るよ。ナンバープレートないし。こんな変なの絶対にお前絡みだろうからさ』
友人の慧眼に恐れ入ると、一言二言会話して電話を切った。
「悪い。昨日学校に停めた車、退かせって言われてるわ」
「昨日停めた車ですか?」
昨日はあくまでも「暫定的に」あそこに置いただけに過ぎず、学校側に許可を取った訳ではない。無許可の車が駐車されていたのでは、さすがに怒るに決まっている。
「そうですね。確かに許可を取りつけた訳ではありませんから、あちらが怒るのは至極当然でしょう。これから行っても構いませんか?」
スオーラは署長に丁寧に訊ねてみた。
署長はこれらの後片付けや彼女達や短剣の詳細を色々と聞きたかったのだが、結局はそれを了承した。


そんな訳で一同――昭士、いぶき、スオーラ、署長、鳥居までが昭士達の通う市立留十戈(るとか)学園高校にやって来た。それもパトカーで。おまけに布を巻いた短剣のジュンを携えたままだ。
「ジュン様。この世界では喋る短剣というものは存在しないのです。どうか喋らずにいて頂けませんか」
『「様」は付けなくていいと言っていんす。でも、判りんした』
辺りに気を使い、小声で話し合っている。
一方昭士といぶきは元の姿に戻っている。が、いぶきはロープで縛られたままだ。元に戻った途端昭士を殴り倒す事が読めていたので、また剣の段階で縛ってから元に戻したのだ。
当然その事についてはブツブツ文句を言い、ネチネチとした嫌みを繰り返している。
さすがにサイレンを鳴らさなかった事と授業中でもあったので、生徒達の注目を集める事はなかったが。それでもパトカーが頻繁にやってくるという構図に教頭は露骨に難色を示していた。
「また君達かね。妹の方はともかく、兄の方まで騒ぎを起こしてくれるとはな」
ぶつぶつと文句を言う教頭に、スオーラが彼の前にすっと立つと、
「大変申し訳ありません。全ての責任はわたくしにあります。他の方々を責めるのはお止め下さいませ」
そう言って片膝を突き、深く頭を垂れる。日本とは違うが謝罪をしている事はさすがに理解できると見え、教頭も言葉を濁してしまう。
それからスオーラは立ち上がると、
「では、早速車を移動させますが、どこへ移動させたらよろしいのでしょうか」
「どこも何も。ここは我が校関係者か来訪者用の駐車場だ。本来なら罰金を支払ってもらわねばならないんだ。それを先日の一件で退去のみで済ませようと言うのだ。感謝したまえ」
自分よりも少し背が高いスオーラを「上から目線で」偉そうに言い切る教頭。しかしそこに昭士と鳥居が、
「きょ、きょきょ、教頭先生。そそ、それ、でき、でき、できません」
「ええ。彼女はこの世界での運転免許証を持っていません。この敷地内から公道へ車を走らせる訳にはいきません」
「免許がないだと!?」
二人の言葉に当然驚く教頭。それから渚署長も、
「この車は……正確に測定しなければ判りませんが、おそらく中型自動車の区分になるでしょう。普通免許証ではなくそれとは別の中型免許証が必要になります。どなたか中型免許証をお持ちの方はいらっしゃいますか?」
日本の場合、動かす車の大きさによって必要な免許証が異なる。スオーラが乗ってきたキャンピングカーは小型バスくらいの大きさがあるので、一般的な普通免許証ではダメなのだ。
だが鳥居も署長も教頭も、いわゆる普通免許しか持っていない。この車を公道で走らせる事はできないのだ。
「あの、アキシ様。先程から皆さんが仰っている『メンキョ』とは、一体何なのですか?」
周りの雰囲気に配慮してか、はばかった小声で昭士に訊ねる。昭士も同じく小声で、
「ああ、ああ。こ、ここのせ、世界では、くく、車を運転、するするのに、し、し、試験を受けて、ご合格しないとダダダメなんだ。め、め、免許っていうのは、ごご合格した証明書みたいなもの」
多分、こんな感じの説明なら判ってくれるだろう。昭士は首をかしげつつそう説明した。
スオーラはふんふんと彼のドモりながらの説明を辛抱強く聞いてから、
「運転の仕方を判っているだけではいけないのですか?」
「う、うん。くく、車の数が、おお多いから。あ安全に走る、るる、ルールも、おぼ、覚えないと」
そんな風にひそひそと説明している二人に向かって、署長が話しかけてきた。
「あの、スオーラさん。失礼ですがあなたのお年は……」
「十五歳になります。確かアキシ様やイブキ様と同じ年です」
スオーラの迷いない答えに署長はさらに驚く。大人びていてとても十五歳には見えないからだ。
「困りましたね。こういう資格や免許は、我が国では最低でも十八歳にならないと取得できない物が多いのですよ」
いくら事情があるにせよ、警察官が堂々と法を破る真似をする訳にもいかない。それ以前にこの国、いや、世界に彼女の戸籍も身分を証明する物もない。署長の表情が曇る。
「あ、あ、あの。とと特例とか、なな何とか。でで、でき、できませんか?」
どこか恐る恐る昭士が署長に訊ねる。署長は、
「そうは言うがね。そうやって身内ばかりを贔屓する訳にいかないのだ。むしろ身内だからこそ厳しくしなければならん」
不機嫌そうな顔のせいか静かに怒っているようにも見え、昭士はそれ以上言うのを止めた。権力者を怒らせるとロクな事にはならないのだ。
状況が膠着しているところへ、急にタクシーが乗り込んできた。そのタクシーは彼等の側で急停車する。
この学校にタクシーで来た場合、校門の前で停車して下りるのが通例。ここ駐車場まで来る事はない。
その事に違和感を感じ、タクシー運転手に注意しようと教頭が近づいた時、そのタクシーから下りてきたのは教頭と同年代の中年男性だった。
「こ、校長!?」
教頭は目を丸くして驚く。それはそうである。今日の校長は出張のため学校にはいない筈だからだ。
「娘から電話を貰って、急遽こっちに来たのだ」
校長は教頭に向かってそう言うと、一同を見回し、それからスオーラの元へ歩み寄ってくる。校長は一度彼女を見た事があるので、聞かずとも判るのだ。
「娘から聞きました。警察署を守って下さったそうで。親の私からもお礼を申し上げます」
「は、はぁ」
事の成り行きが全く読めず、お礼を言われているのにぽかんと間の抜けた返事を返してしまう。
「そう言えば、娘さんはうちの署の署員でしたな」
署長はサラリと言ってから、昭士とスオーラを見て、
「ああ。あの時会議室に飛び込んできて、君らを現場に案内したのがそうだよ」
その言葉に、二人は思わず声を挙げて驚く。
そんな二人の驚きを他所に、校長は教頭に詰め寄ると、
「聞けば彼女は、まだ年若いのに人々を守るために命を賭けてたった一人で戦い続けていたそうじゃないか。おまけに先日この学校と生徒達を救ってくれた張本人だぞ。そんな態度が許されると思うのか」
感極まった様子の校長が、ものすごい勢いでまくしててている。それもスオーラをべた褒めだ。
どこで聞いたのかは知らないが、間違ってはいないだけに昭士もスオーラも口を出せない。それ以前にまくしたて方がもの凄いので口を出す余裕すらない。
「し、しかし校長。だからと言って、このままこんな大きな部外者の車を停めたままでは、いざという時に……」
「ならば話は簡単だ」
校長は教頭の言葉をすっぱり遮って胸を張ると、スオーラに正面から向き直った。
「ちょうど学食の人出が足りなかったところだ。話を聞けば料理は一通り問題なくできるようだし、どうだね。日本の事を学びがてら、そこで働いてみるつもりはないかね?」
思いがけない校長の誘い。
確かにこの世界での生活基盤は必要である。しかしあまり昭士に頼りっぱなしになる事もできないし、彼から離れ過ぎる訳にもいかない。
それに学食であれば以前一度行った事があり、そこで働く職員達も彼女の料理の腕前は知っている筈だ。断わられる事はないだろう。
それにここで働く事になれば、一応「部外者」ではなくなるので駐車場の件はあっさりカタがつく。
「ホント娘さんには弱いですよね、校長は……」
ぼそっと文句を言う教頭をよそに、さらに校長の言葉は続く。
「いいじゃないか。若者が何か一つの事に打ち込む姿は美しい。それが人々の役に立つ事であればなおさらだ。それを応援、支援するのが、我々大人のなすべき事だろう」
大義名分を大上段に振りかざす校長。自分に酔っている感じもするが。それから彼は署長に向かって、
「私からも頼みます。彼女の件、警察の方でどうにかする事はできませんか?」
「どうにかと言われましても……」
ここで話がさっきの物に戻ってしまう。
署長としても、人知れず化物と戦って人々を守ってくれたスオーラに何か礼くらいはしたいとは思っていた。
しかし、いくら特例とはいえ堂々と法を侵して戸籍を作ったり免許証を発行する事に、やっぱりためらいを覚えてしまう。だが彼はぐっと決意を固め、
「……判りました。特別に免許証を発行しましょう」
署長の言葉に、その場が沸き上がりかける。しかし、
「ただし。スオーラさんには日本語と、日本の交通ルールを覚えて頂きます。それが条件です」
沸き上がりかけた雰囲気がぶち壊れ、ガックリ肩を落とす一同。
しかし署長の言葉はこれ以上ないくらい正論なのである。
日本にいる以上、最低限の言葉が話せないと意思疎通すらできないし、常に昭士を隣に置いて通訳させる訳にもいかない。交通ルールにおいては言うまでもない。
それでもスオーラは署長に向かって片膝をついて深く頭を下げる。
「有難うございます。そのご配慮、有が∞≦【♀′●⇔∃※@」
ところが。その言葉の途中で署長が「ん?」と違和感を感じた表情になる。彼だけではない。鳥居も校長も教頭もだ。
《どうかいたしましたか?》
膝をついたままスオーラが訊ねるが、彼等のきょとんとした顔は変わらない。
「ス、ス、スオーラ。ま、まま魔法が、切れ、切れてる」
昭士の指摘でそれに気づいたスオーラは、本当に気まずそうな表情でうつむいてしまう。
「魔法使いなら、魔法の効果時間把握しときなさいよねー。さすがバカなだけの事はあるわー」
今まで黙ってたいぶきが、これ見よがしに嫌みを入れてくる。しかも心配しているように見せかけた露骨な棒読み口調なので癇に障る事請け合いだろう。
「あとはさっきの短剣だな。署長。それもどうにかなりませんかね?」
鳥居がさっき出た話題を持ってくる。確かにこれも解決しておかねばならない問題だ。
「そうは言うがこちらは少々厄介だ。あれは日本刀ではないからな、明らかに」
署長も幾分困った顔を見せる。その困った顔の理由が判らない昭士が理由を聞いてみた。
日本は基本的に武器の携帯はもちろん、所持だけでも許可が必要になる。そのため刀剣類のコレクターには「銃砲刀剣類登録証」という物を発行している。
だがこれは「この刀はこの人の物である」事を証明するものであり、携帯・所持の許可とは少々意味合いが異なる。
加えて言うならば、この登録証は日本刀、もしくはその製法で作られた刃物にのみ発行されるので、ジュンのような明らかに日本刀ではない短剣に関しては発行する事はできないのだ。
「だから銃砲刀剣類登録証ではなく、銃砲刀剣類所持という別の許可が必要になります」
昭士はそんな署長の言葉を、どうにかスオーラに伝え終わると、
《こちらの世界は、許可がないと何もできないのですね》
車から刃物に至るまで、あらゆる物に「許可」を求めるそのやり方を、少々面倒そうに感じているようだ。昭士がそれを問うと、
《わたくしの世界では、特に許可は要りませんでしたから。確かに面倒とは思いますが》
「そう言えばあンた僧侶よね? 僧侶って刃物使えないンじゃないの? 使っていい訳?」
唐突にいぶきが質問を飛ばしてきた。得意げかつ嫌みを相当に込めて。
しかしスオーラはそんな嫌みを知ってか知らずか、いぶきに向き直ると、
《こちらの僧侶は刃物を使ってはいけないのですか? わたくしの宗派にそういった決まり事はありませんよ》
静かなその一言でいぶきを黙らせてしまう。考えてみれば本当に禁止しているのならあの場で短剣を持つ事すら拒否した筈だからだ。
しかしその静かな言い方が相当気に入らなかったらしく、いぶきはつかつかと歩み寄ると、何と、自分を縛るロープをぱらりと解いてしまった。
今までほとんど黙っていたのは、これを解くためだったようだ。
そして、スオーラが持ったままの布に包まれた短剣を鷲掴みにした。
それも刃の部分を。
スオーラや昭士がそれに気づいた時は既に遅く、いぶきは刃の部分を握ってひょいと奪い取ってしまった。
その途端巻き方の問題か、包んでいた布がパラリと取れた。いぶきの目の前には茎(なかご)を上に刃を下にした短剣の刀身が現れる。
そこでようやく自分が刃の部分を握っている事に気づくいぶき。
当然周りは驚いた。いぶきが持っているのは「周囲の動きが極端なスローモーションに見える」能力。刀剣の刃の部分を持って無事でいられる能力ではない。
ところが。彼女は全く痛がっていない。強がっている様子も我慢している様子もない。だが、
『乱暴な扱いでありんすね』
短剣=ジュンが唐突に喋ったものだから、いぶきは思わず、
「なっ、ナニよこいつ、気持ち悪っ!」
そのままポイッと放り投げてしまう。スオーラはそれを慌てて地面に落ちる前に受け止めた。
刃の部分を。ついうっかり。
だが痛くない。全く。いぶきも刃を握って痛がっていなかったが、変に思ったスオーラは恐る恐る刃の部分に触れてみる。
《刃がついていません、この短剣》
つまり刃が入っていない。極端な言い方をすれば玩具の刀と同じという事だ。これなら許可証など必要ない。
刃物ではないのだから、もしスオーラの宗教が僧侶の刃物所持を禁じていたとしても問題ない。
よく確認しなかったとはいえ、何という結末であろうか。この場の一同がこの結果に脱力感を覚えている。
「よ、よよ、よかったね、スオーラ」
それでも昭士はスオーラに話しかけた。
《そうですね。これでジュン様とも共に戦えます。よろしくお願い致します》
スオーラはほっと安堵の様子で短剣に話しかけた。
『こちこそよろしく』
ジュンの方も穏やかな口調で返事をした。
明るい声で。

<第7話 おわり>


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