軽々しくいこう! 18「ブログに物申したい」


ブログ。正式には「ウェブログ」というサイト運営形式。
2002年頃から広まりだし2005年に入ってからはグングン利用者が増えております。
まぁ改めて語るまでもないでしょうが、文章稼ぎ(オイ)のために、一応解説しましょう。
元々はウェブページのアドレスと共に評論・メモなどを加えて記録しているサイトの事。ウェブを記録(ログ)するので「ウェブログ」という訳だ。
そもそもの始まりは自分が気になったニュース・サイトの寸評をアドレス付きで紹介した事らしい。

現在では、使用者個人の体験や日記・特定の話題に関する物を取り上げて書き込んでいるので、必ずしも「ウェブページ」ではないのである。
日記のノリから真面目な時事問題討論、社会に対する意思表示・意見表明まで、書かれる内容は本当に様々。
……なんですが、それはあくまで海外での話
日本国内のユーザーさんは、海外同様の使い方をしている人より、レンタル日記と同じ使い方の人が多いように思えてならんのです。


このブログの特徴といえば、管理人はだいたい次のような物を思い浮かべます。あくまで「管理人」視点なので、実際はどうだか知りません(苦笑)。
壱:作成に特別なソフトなどが要らない(要る物もあるけど)。
弐:HTMLの知識を必要としない(あるに越した事はないが)。
参:書いた記事を独自のカテゴリーで分類・整理できる。
肆:見た人がBBSのようにコメントを書き込む事ができる。
伍:他のブログからの引用やリンクを自動で行え、同時に引用やリンクした事を伝えられる。

このうち「伍」番目の機能――「トラックバック機能」というのですが――の使用者が、何と少ない事か!
一個人の日記としてしか使っていない人が、何と多い事か!
ブログはあくまでもブログであって、決してレンタル日記の代用品ではない筈だ!
管理人もブログの利用者は結構知ってますが、このトラックバック機能を『使ってるな〜〜』と感じる人が少ないですね。
使ってる人は活用してますが、使ってない人は無い物のように使っていない。両極端という方が正確か。
現実的な問題として「他所の書き込みにリンク張る(or張られる)のが嬉しいのか?」という冷めた見方もありますが、いわばそれが「ブログがブログとして発展した」要因の一つだろうに。
これが今までの掲示板やレンタル日記と決定的に違う点だろうに。
せっかくついてるんだから使ってみたら? ついてる機能を使わないでいるなど「もったいない」以外の何者でもない。
……最近じゃ「もったいない」も死語化してる気がしますけど。
それともこういう考え方って珍しいんですかね、今は??


その原因は色々あるんでしょうが、日本と海外の「使い方」もその一端を担っていると思う。
海外は日曜大工ならぬ「日曜ジャーナリスト」的なブログが多く、そこで自分の考え・意見を書き込んでいく。
もちろん話題にするのは社会的な出来事。新聞やニュースでも取り上げられている事だから同じ事を話題にしている人は結構すぐ見つかる。トラックバックする(したい)書き込みを探すのも容易でしょう。
それに海外は「言いたい事はハッキリ言う」文化だし、学校教育からして「みんなに向かって自分の考えを述べる」「自分をみんなにアピールする」事を当たり前に行なっている。
だから『(何かに対して)発言する』のはごく自然な行為であり、小さい頃から鍛えられてもいる。
向こうのブログユーザー(ブロガー)は本名が原則。投稿ももちろん本名で行なう。
だから向こうのブロガーは自分の意見にきちんと責任を持っている。偏ってはいても無責任な発言はしない。反対意見にも堂々と渡り合おうとする。
その発言がトラックバックで多方面に繋がり、コメントがコメントを呼んで大論争に発展し、社会的な影響力すら持つようになった。

一方日本だと特定の物を取り上げるのは同じだが、あくまでも「感想」をメインに置いている物が多い(そりゃ日曜ジャーナリストも多いんだけど)。
例えば「○○を食べた。美味しかった(不味かった)」。「○○を観に行った。面白かった(つまらなかった)」。
こうした「感想」になると、あくまでも「感覚」がメインとなる。
確かに感覚というのは個人独特のモノで共有が難しい。だから「判ってもらう」事がやりにくいので、コメントなどが少ないのかもしれない。
もちろんそれが悪いなどという気は全くない。ブログとて結局は「道具」
物騒な例えで恐縮だが、ダイナマイトをビル解体に使うか自爆テロに使うか。それと同じで、どう使うかは使い手次第なのだからして。
最大の違いは日本は本名ではなく匿名でのネット活動が容認されているし、むしろ「本名は使うな!」という風潮である所。
本名から個人データを調べられて嫌がらせの嵐を受けたり、ネット上での管理者攻撃が匿名で行なわれているからだけど。
悪い言い方をするならば『リスクも責任も背負わず、匿名で安全な位置から他人を誹謗中傷するのって最高♪』といった人間が多いのかな(汗)。
それに「言いたい事はハッキリ言う」土壌でもないから自分から発言するという行為自体少ないし、そもそもそういう『発言する教育』を受けていないからなかなかできない。それは仕方ないとも言える。
ブログを見て「うんうん、そうだよね」と思って、次の巡回先(笑)に向かう。
ブログを見て「なんだよこいつ」と思い2度と来なくなる。
そういう「感想はあっても発言しない」人が日本では圧倒的多数であると思われる。その点はコメントや従来のBBSでも同じだと思う。


話が脱線した気はするが、トラックバックが使われない原因はもちろんそれだけではない。
ブロガーの皆さん。自分以外のブログandサイトをどのくらい知ってますか? 見ていますか?
自分のブログを書いて精一杯、という人が多いんじゃないか。そんな風に思えて仕方ありません。
他のブログやサイトを知らない、もしくは見ていないのでは、トラックバックなど使いたくても使えませんからね。
だから自然『書く事が自分の身の回りの事=日記になる』のではないでしょうか。
繰り返すが、日記の使い方が悪いという気はさらさらない。それだって立派な一つの「使い方」な訳ですから。
ですが――管理人が行く先の場合、フルメタル・パニック!やサクラ大戦のファンの方々が多いです。
そういう「ファンサイト」の場合、原作に動きがあったらネタにする事が多い。ファン心理とはそんな物です。
そんな時「あ、ココも自分と同じ事ネタにしてる!」という理由でトラックバックするのって、そんなにいけない事ですか?
「○○さんも私と同じ意見です」「××さんは私と違うけど、言いたい事は判ります」とブログで取り上げる事は、そんなにいけない事ですか?
それとも、同じファン同士ですら親交を持たない方々ばかりなのでしょうか。それってあまりにも寂し過ぎやしませんか?
それとも現在は、(管理人が)「寂し過ぎる」と思う「付き合い方」の方が当たり前なのでしょうか?
ブログってのは見るだけじゃなくトラックバックしたりされたり、コメントしたりされたりして、色々な人がネット上で繋がりを持つよう作られた物の筈。
……そりゃ、ブログの感想などをメールでやりとりしてる人はいますけどね、実際。けどそれってブログの意味がない気がしないでもないけどね(苦笑)。
確かに「道具」をどう使うかは使い手次第と書いたばかりですが、せっかくある能力、持っている長所をしっかり使わずして、何が「道具」か。
「(管理・運営が)簡単だから」というだけで使っているんですか?
わざわざ「俺ブログ使ってるんだぜ」粋がるために使っているんですか?
そんな使い方のブログなど、レンタル日記と変わらない! それに他との親交を持つ気がないならレンタル日記で充分だ。
……まぁレンタル日記の場合、あらかじめサイトを持ってないと貸してくれないケースが多いんだけどね(苦笑)。

確かにブログってのは、サイトと違って(ほとんどの場合)作成ソフトやHTMLなどの知識が要りません。誰でも手軽で気軽に「情報発信基地」を持ててしまう。
今まで一部の「玄人」しかできなかった事が、普通の一般人にでも行えるようになる。
これはインターネットに限らず、色々なメディアで起きている現象です。
もちろん、その現象を否定するつもりなどさらさらありません。いい事だと思います。
だがしかし。手軽にできる事とちゃんと使ってないのは全く別次元の問題。

別次元と言えば、こんなケースもありました。
ずいぶん前。今は無きさるサイトさんの事をネタにした事がありまして。
別にこき下ろした内容ではなく「面白いよ」と紹介したつもりだったのですが、こんな文句が来ました。
「ひっそりこっそりやってるサイトなんだから、こういうのはやめて下さい」
「こんな風に紹介されるのは恥ずかしいので勘弁して下さい」

……不特定多数の人が見る事のできる「ウェブサイト」をやってて、そういう事を言われてもなぁ(苦笑)。
昔の「自分」が後々まで残るのが恥ずかしいのなら、サイト運営するのをちょっと考えた方がイイかもしれないです。
自分の書いた文章なりイラストなりを「いつでも発表できて、残せる」のがこうした「ウェブサイト」なんですから(ま、消す事も自在だけどね)。もしくは、
「せっかく人が見つけてきたネタをパクらないで下さい」
「人のふんどしで相撲をとるような真似をして、恥ずかしくないんですか?」

と怒られた事もあります。
紹介=パクリと考えている人は、「サイト運営」という物をちょっと考え直した方がイイかもしれないです。
……が、これは結構多くの人が(潜在的にでも)抱えてる問題だと思います。「せっかく人が見つけたネタなんだぞ」という、ちょっとした怒り。それは判ります。
けど、素早い情報発信が「ウェブサイト」「ブログ」の醍醐味ってモンです。発信した情報は「見られて」「使われて」こそ華、なんじゃないでしょうか?? 誰の目にも止まらない情報に、何の価値があるのでしょうか。
……まぁ中には知られたくない情報ってのもありますけどねぇ(;¬_¬)。


今は文章だけでなくイラストや写真もアップロードできるし、動画を配付するビデオブログ(ブイログ、ヴログ=vlog)、携帯電話からの写真付き投稿などができるモバイルブログ(モブログ=Moblog)というのもあるようだ。
これからもまだまだブログは様々な形で発展していく事でしょう。
しかし。ウチのような「ウェブサイト」という形式が無くなる事も多分ないと思います。
どっちにもメリット・デメリットがある筈だしね。
だらだら書いたけど、結論。

道具はきちんと使え。同じ使うなら使いこなせ。

これを、結びの言葉とさせて頂きます。


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