軽々しくいこう! 16「再び軽さを考える」


このサイトを開設してからもう4年。その間にインターネット業界は「劇的」とも言うべき様々な変化を見せております。
中でも目覚ましいのが高速で大容量のデータをやり取りする「ブロードバンド」の普及率でしょう。
このサイトがオープンした頃は、まだ大容量データの送受信が充分とは決して言えず、ちょっとイラストが多いサイトでは画面が表示しきるまで延々と待たされていたものです。
ですが、そのブロードバンドが普及したおかげで、ちょっとくらい重いデータでもパパッと送受信できるようになりました。
このサイトが「ぽりしぃ」として掲げている「軽い」サイト。その意味合いが少しずつ薄れていっているのかも、と感じています。

いま巷で流行っているのは、おそらくADSLだと思います。
公式サイトの情報を見てみますと、最大で40Mbpsのデータをやり取りできるとありますが、これはあくまで「最大」。実際にはこの半分の速度が出てれば上等でしょう。いつもいつも「最大値」で運用できる訳がありませんから。
ちなみにbpsとは「ビーピーエス」と読み、bit per secondの省略。1秒間に送る事ができるデータの量を表わします。
9,600bpsの転送能力を持つモデムなら、1秒間に9,600bits(=1,200bytes)のデータを転送できる計算という訳です。閑話休題。
1Mbytesが1,024Kbytes。1Kbytesが1,024bytes。そこから計算して40Mbpsは41,943,040bytesという事になります。
……すごい数字って事は一目瞭然ですが、よく判らなくなってしまいました。
半角の数字・アルファベット・記号は総て1文字1byteの容量なので、そこから考えると1秒間に4000万字以上のアルファベットを運べる早さという事になりますでしょうか。
現在の光ファイバーなんたらの場合100Mbpsというコースもありますから、実際に計算すると……計算するのが嫌になる数字になる事だけは確かです。

当サイトで一番データの多いページのデータサイズは66,907bytes
という事は40Mbpsの環境であれば、(計算上は)たとえその半分であっても一瞬で表示されます。
でも、速い事は速いのですが『一瞬』という訳にはいかないケースの方が多いです。
理由はいくつかあります。
その壱:何人もの人が、そのページにアクセスしている
そりゃ当たり前の話であります。このADSLとか光ファイバーってのは、自分のパソコンからプロバイダのコンピュータまでの早さなのですから。
プロバイダのコンピュータから見たいサイトのサーバーのコンピュータまでもコレと同じ速度が出るとは限らないものね。
それに、同じ道幅でも1人で歩くのと100人で歩くのとでは速度に違いが出て当たり前。
まぁ当サイトではこの理由はまずあり得ませんがね。

その弐:JavaScriptやCGIなどが使われている
これらはホームページの「特別な」効果を与えるためのプログラムの事である。大雑把に言うと。
こういうものが使われているページは、表示プラス「特別な効果のための処理」をしなきゃなりません。最近のならば動作が軽くなったとはいっても……ね。
どんなに速く軽快に動くものであっても、普通に表示『だけ』するよりはどうしても遅くなるのはしょうがない。

その参:パソコンの処理が遅い
たとえ回線が超高速であっても、パソコンの型が古かったり、ハードディスクの残り容量が少ないもの、トラブルを抱えたままのパソコンの場合、処理速度がどうしても落ちます。
管理人の実体験に基づいた話ですが、1998年だか1999年に発売されたPowerMacG3(マシン速度300MHz)と2003年に発売されたPowerMacG4(マシン速度Dual1.25GHz)とで、同じブラウザの同じバージョンを使って同じサイトを同時に表示してみると……やっぱり2003年に発売されたPowerMacG4の方が断然早い。気味が悪いくらいに。
確かにCPUの性能は3倍近くあるんですから当然ですし、新しいヤツの方が最新の通信回線環境にしっかり適応しているに決まってます。

その肆:パソコン内部の問題
内部といっても「仕組み」などではありません。ブラウザと同時に他のソフトを起動している場合、それらを終了させるという事。
複数ソフトの同時起動は当たり前ですね。人間も1人が一度に複数の仕事をやったのでは能率も効率も落ちて当たり前。パソコンだって同じです。
この複数ソフトの起動とは、ファイヤーウォールやアンチウィルスソフトも含まれてしまうので、判断が微妙なところであります。
もしくはディスク内部の整理整頓(デフラグなど)で速度が早くなるケースもあります。
デフラグについては各自で調べて戴くとして、最近のパソコンはハードディスク容量が桁外れに多くなってますから、デフラグだけで何時間もかかります。お手軽においそれとできませんけどねぇ(-_-;)。

……これらの条件から新しいヤツを買うにしても、新品は値段が高いし、ファンの音がうるさいし、電気代は食うし、高熱を発して夏場は使えないし。……コレは一部のマシンだけかな(苦笑)。
ネット上で配信されている動画を見たいのなら、ある程度の間隔で新しいOS・機種にする必要はあると思いますが、そうでないのなら別に昔のマシンでも大丈夫ですけどね。
時間がかかるといっても、回線さえブロードバンドであれば死ぬほど待つ訳じゃありませんし。よっぽど画像がたくさんあるサイトならば話は別ですが。
でも、それで片づけていい訳ではありません。

世の中のインターネットをやっている方全員が最新のパソコンを使っている訳じゃないんですし。
世の中のインターネットをやっている方全員がハードディスクの残量が多い訳じゃないんですし。

……様々な環境の事を考えますと、やっぱり軽いに越した事はないか。

確かに軽さがメリットという意味合いは薄れつつあるかもしれません。
しかし、それは「見る人」にとっての話。サイトを運営する者にとって、やっぱり「データの軽さ」は考えるべき問題だったのです。
自分が使ってるサーバの容量。無制限ってところも多いですが、データ量が少なければ、それだけより多くのデータが乗っけられる訳でありまして。
見る人達のメリットではなく、運営する側のメリット「軽さ」。これからはこうなっていくのかもしれません。


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