軽々しくいこう! 14「圧縮はlzhがいいよ」


インターネットをやっていれば、たいがいの人が一度は目にした事があるであろう「圧縮ファイル」の文字。その名の通り「圧縮したファイル」の事であります。
今はブロードバンドの普及により、大容量のファイルを短時間でやり取りできるようになりました。
その昔はそんな事ができなかったので、メールで添付ファイルを送る時には、そのファイルのデータを圧縮して少しでもデータ量を減らすのは「当たり前」でした。
けど、今でも複数のファイルや容量の大きいファイルは圧縮して送るのが「マナー」です。
使うOS・作られた時代・圧縮率などなどの違いから、現在は20種類近くの圧縮形式があります。もちろんソフトによって圧縮形式が違う訳ですから、ソフトが違えば展開(解凍)はできません。
ですが、ここ最近は「ZIP」の普及が著しくなりました。

ZIPファイル。「ジップファイル」と読むこの圧縮形式。元々はアメリカを中心に海外で多く使われている圧縮形式でした。
それがWINDOWS XPになると、この形式が「標準の」圧縮形式となりました。始めからついているのなら、誰でもみんなこれを使いますよね。当たり前の事です。
ZIPファイルの圧縮・展開(解凍)が「標準で」できれば、普及が著しいのは当たり前の事であります。
ですが、Macintoshではちょっと問題が出るのです。
どういう問題かと申しますと、ZIPファイルの展開(解凍)はできるのですが、圧縮の方が「標準」ではできないからです。
もちろんMacintoshにもZIPファイルに圧縮できるソフトはあります。「ZipIt」「MacZip」というソフトが有名です。
ダウンロードしたり雑誌の付録のCD−ROMからインストールすればいいんです。それ自体は簡単です。
……けど英語版しかないんですよ、このソフト(笑)。何から何までぜ〜んぶ英文。いくらほとんどの操作が「ドラッグ&ドロップ」で済むといってもねぇ(T_T)。

一番トラブルが起きやすい、Macintoshで作ったファイルをWINDOWSへ送る時。
WINDOWSユーザーの方には少々退屈な話ですが、Macintoshのデータは「データフォーク」「リソースフォーク」という2つの部分からできております。
「データフォーク」には文章や画像のデータそのものが入っています。
「リソースフォーク」にはファイルの種類・作ったアプリケーション情報・アイコンなどの情報が入っております。WINDOWSでいう拡張子みたいなものでしょうか。
Macintoshで作られたデータのうち、WINDOWS側が必要なのは「データフォーク」だけです。だから全く同じデータでも、WINDOWSの方が若干ファイルサイズが少なくて済みます。
その代わりWINDOWSは拡張子がないとそのファイルは開きませんし、間違えても開きません
Macintoshは拡張子に相当するこのファイルがある限り、拡張子がなくても間違ってても開きます。どちらがイイかは好みでしょうな。
そして「リソースフォーク」の中には「Macバイナリ」というMacintosh固有の情報を収めたデータがあるのですが、WINDOWSでは不要のこのファイルが、時として「ファイルが開かない」という事態を引き起こすのです。
そういう訳ですから、Macintosh版の圧縮ソフトにはこの『「Macバイナリ」を外して圧縮する』機能があります。けど、メッセージが全部英語では、どこをどうすればいいのかさっぱり判らない。何せマニュアルすら英語ですから(>_<)。
何が悲しゅうて日本人が日本語のOSで英文のソフトを使わにゃならんのですか。……確かにメニューを日本語に修正するパッチがあるにはありますが。閑話休題。


そんな訳でございまして、当サイトではzipの他に「lzhファイル(エルゼットエイチファイル)」も推奨しておるのです。
推奨理由その壱:WINDOWS・Macintoshどちらにも圧縮・展開(解凍)ソフトがある。ついでにいえばUnix版もある。
推奨理由その弐:しかも無料
推奨理由その参:元々日本で作られた形式なので、日本語対応はバッチリ
推奨理由その肆:Macintoshの場合、始めから「Macintosh用」「それ以外用」の2つの圧縮形式が選択できる。
推奨理由その伍:WINDOWSの場合、圧縮・展開(解凍)が1つのソフトでまかなえる(ものがある)。

データの圧縮率から考えるとZIPファイルの方に若干歩があるようではありますが、ビックリするほどの差はありません。
WINDOWSの方は「Noah」「Lhaz」「Lhaca デラックス版」などをお勧めします。圧縮・展開(解凍)が1つのソフトでまかなえ、操作が簡単で多機能なソフト。初心者から上級者まで持ってて損のないソフトだと思います。

ところで、圧縮の反対語が「解凍」って、奇妙に感じた事はありませんか? この文章でもわざわざ「展開(解凍)」と書いていますし。
圧縮ファイル内の情報を元に、本来のファイルと同じ物を再現する訳ですから、本当は(という言い方もなんですが)「展開」もしくは「抽出」と呼ぶのが正式みたいなのです。
「解凍」と呼ぶようになったのは「lzhファイル」を作るソフト「LHA」を作った吉崎栄泰さんという方が、そのマニュアルの中でそう書いたのが広まったかららしいです。


ZIPとlzhの2つが、いわば「二大圧縮形式」。これさえ扱えればほとんどの圧縮ファイルは大丈夫だと思います。きちんとソフトを入れておけば、まさしく「怖いものなし」です。
……あ、もちろん「コンピュータ・ウィルス」には必要以上に気をつけて下さいね。
そうそう。ついでに言うのなら、他のパソコンへデータを送る場合、ファイルの名前は半角英数にしておく方がよろしいです。それなら絶対に文字化け起こしませんから。
ちなみに全角のアルファベットもパソコンでは「日本語扱い」なので、文字化けする可能性があります。要注意。
当サイトの投稿で『ファイル名は適当な英単語一つ+拡張子』と言っているのはこれが理由でもありますので。


2010年6月追記:lzhファイルにする圧縮ソフトの脆弱性に対し、制作側の対応がなかなか進まない上、ソフトの開発が中止されてしまったため、『lzhは使用を控えるように』という流れになってしまいました。時の流れを感じます。


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