軽々しくいこう! 10「著作権問題」


インターネットがこれほどまでに普及してくると、問題になってくるのが「著作権」
何せCD−R(W)などのメディアが安価になって、コピーが簡単にできてしまうんですから。コピー品ばかり出回ってしまう事態を予想してもおかしくないでしょうし。
実を言うと、コピーに限らず、当サイトのような二次創作(いわゆるパロディ)や替え歌も、本来ならこの著作権法云々に思いっきり触れる活動なのである。
なお、これは「著作権」について思った事を、管理人の独断と偏見であ〜だこ〜だ語ろうという主旨なので、著作権そのものを説明したり語る物ではありません。あしからず。


詳しく語り出すとキリがないので大雑把に説明しておくと、作品(小説・マンガ・アニメ・写真など)を作った人・会社に一定期間与えられる権利「著作権」と呼ぶようです。
この「著作権」は、更に2つに分けられます。
壱:財産権=作品を販売した時の利益(の一部)をもらえる権利。印税なんかもこれになるんでしょうか。
弐:人格権=作品を作った人の「意図する形で」発表をする権利。
これに似た物で「肖像権」という物もあります。これも「財産権」「人格権」の2つに分けられます。
壱:財産権=この場合はタレントや有名人のように写真そのものが商品としての価値を持つような場合、それを販売した時の利益(の一部)をもらえる権利。
弐:人格権=商品的価値の有る無しに関係なく、勝手に自分の写真を撮られたり発表されたりしないようにする権利。今増えてる「カメラ付携帯でパシャパシャ撮られて」というので、芸能人の方々は非常に困ってるそうです。

この「著作権」の考え方そのものは非常に分かりやすいのです。
「作品を作った人に敬意を払い、無断で使うような事はやめましょう」
である。
しかし、実際に使うとなるとずいぶん面倒な事になるらしい。
どこまで許可を取る必要があるのか、という基準があいまい極まりないから。
例えば「A」というゲームがある。そして、そのゲームのキャラクター・デザインで一躍有名になった「B」というイラストレーターさんがおります。
で、そのイラストレーター「B」さんが、そのゲームの物を含めた、今まで描いたイラストを集めて「自費出版イラスト集(同人誌でも可)」を出してしまった。
会社側は「ちょっと待て」と言いましたが、自分の出世作でもある「A」というゲームのイラストだから、載せたいと思うのは当然でしょう。

さてこの場合、著作権はどうなってしまうのでしょうか?
まずこれはゲームな訳ですから、もちろんゲームを作った会社に著作権があります。
が、そのキャラクターはイラストレーターさんが描いた物ですから「イラストを描いた(作った)」という権利だって発生しても不思議じゃないでしょう。『そのゲームのキャラクターを描いた場合、著作権は全部会社側に行く』とでも契約していない限り、揉める事間違いなしです。
ゲームの方を「作品」とするかイラストそのものの方を「作品」とみなすか、ですからね。……ほらややこしい。書いているこっちもワケ判らなくなってきた。
実際適用すると、ホントにこんな感じで頭が痛くなってくるんですよ。
もっとも、こういう感じでもめても、たいがいは当事者同士の話し合いで決着がついてしまうので裁判にならない。たとえ裁判になったとしても具体的な一例が殆どないので面倒だそうです。


最初にも書きましたが、インターネットがずいぶん普及しています。普及するという事は、それだけ手軽になるという事。
手軽になると、細かい決まりやしきたりなどが略されていく傾向があるようです。
著作権という物を厳密に考えていくと大変なのです。こういう事例があります。

素材集に載っていた写真を使って広告を作った。しかし、その写真には某企業の看板ロゴがハッキリ映っていたために、その某企業が「勝手に使うな」と訴えた。

ココを読んで笑っている方々。これ実際のケースなんですよ。
実際の裁判では、広告を作った会社だけでなく、素材集を作った会社も被告として裁判が行われます。
たとえ広告を作った会社が「素材集を作った会社が悪い! 私は潔白だ!」と言ったところで通じません。ダメです。素材集を作った会社ともども損害賠償いくらという感じになるかもしれません。
だから、日記サイトで「家族で旅行に行きました」といって、その時の写真をサイトに載せた場合、そこに「企業のロゴ」とか「アニメのキャラクター」があった場合、訴えられる可能性があります。
背景に有名なビルが写っていたり、車なども車種が一発で特定できるアングルでも、訴えられるかもしれません。
そんな細かい所まで、と思うかもしれませんが(管理人もそう思います)、世の中がそうなってるんですから仕方ありません。
抜け道としては、パッと見て判らないようにアングルを変える・修正するくらいでしょうか。モザイクかけるとか。

そういう訳で、当サイトのような二次創作や替え歌は著作権法云々に思いっきり触れる活動なのである。
当たり前です。原作者や出版社に許可を得て、著作権使用料を支払っている訳ではありませんし、人様が作ったお話や歌を勝手にいじくりまわしてる訳ですから。
しかし、それで捕まった人は殆どおりません。それは何故か。
著作権侵害は、著作権を持っている側(つまり原作者や出版社)が訴えないと犯罪として成立しないからです。
……でも、訴えられなきゃやってもイイという訳ではない。
管理人個人としては「もしこうだったら〜」「俺だったらこうするのに〜」という「世間話」レベルに首つっこまれてもなぁ、という考えですが、逸脱し過ぎはダメでしょ、やっぱり。
その辺気をつけないと、冗談ヌキで両手が後ろに回りますからね。数多のサイトの皆様。気をつけましょう。
もう1つは、著作権を持っている側(つまり原作者や出版社)が「いいよ、そのくらい」大目に見てくれているからです。
その作品のファンが考える「あんな事」「こんな事」を形にするという事。これを黙認してくれているからです。
でも、黙認されているからこそ、手軽にこうした二次創作活動ができる訳です。ですが、もしも「著作権使用料を支払わねばならなくなった」ら……。
1:まず出版社や原作者の元に「二次創作活動をしたい」と連絡を入れる。
2:出版社や原作者は「どういう物か見せてくれ」と言ってくる。
3:メールなり郵送なりで自分が書いた作品なり企画書なりを送る。
4:出版社や原作者はそれを見て「許可を出すか否か」を決める。
5:めでたく許可が出れば「この使用料は○○円です」となり、その他諸々を取り決める契約する事となる。
6:契約書に署名・捺印し、使用料を支払う。

……という手順になるかと思います。これは管理人の想像ですので、実際の手順との差違は考えないで下さい。
これを1つのジャンルごとに(このサイトなら「フルメタル・パニック!」で○円。「サクラ大戦」で○円)やるのか、はたまた1つのお話ごとにやるのか(「たとえばこんなジャック・イン・ザ・ボックス」で●円。「恋する仔猫のミックス・アップ」で●円という感じ)。それによってもずいぶん違います。
出版社や原作者側としては、これ以上オイシイ収入源はない訳です。ファンの数に比例して金が入ってくる訳ですから。
たとえば同人誌即売会の度に「このマンガ(アニメ)の同人誌を出す方は、我々に○○円支払って下さい」と確約させたら、同人誌を発行する度にお金が入ってくる訳ですしね。
我々のような一ファンからしてみれば、額の大小を問わず「金を払って二次創作活動をするか否か」という点に焦点が行くでしょうね。
もっとも、現金の絡まない「個人の趣味」であればさしたる問題もないのです。が、サイト活動ならともかく、「同人誌」だと一応「現金が絡んでくる」ので、『趣味』『商業』かが実に判断に困る所です。
でも、こんな感じに「著作権使用料の徴集」を実際にやったら、出版社や原作者サイドが「許可を出すか否か」見ている時間がないだろうな、数が多すぎて。1つの出版社が「チェックする会社」を5、6個作らないと対応すらできないだろうな(でも、そこに就職難にあえぐ方々を雇い入れれば、雇用問題がちょっとは解消され……冗談です(-_-;))。
また「一種の宣伝行動」と解釈してくれる時もあります。口コミと似たような物です。自分の懐を痛めずに宣伝費が浮いた、という感じでしょうか。
会社側から依頼をしないのに宣伝をしてくれるわけですからね。会社の方は万々歳でしょう。
……だからと言って何してもイイって訳じゃございません。
以前ポケ●トモン○ターの成人指定同人誌が見つかって云々という事件、ありましたしね。こういうのはさすがに認める訳にいかないでしょう。

ともかく、こういった理由により同人業界がなくなりもせず、個人的なファンサイトというものが開かれている訳です。
良いか悪いかは判断できませんが、こうした同人活動・ファンサイト活動の中から新たなクリエイターが登場する可能性もありますし。数が減る事はあっても無くなる事はないでしょうな。
そりゃ中には『個人的なファン活動でもダメ!』という会社や作品もたくさんございますが、黙認している所が多いですね、日本は。
ホントなら、これを書く際の資料もまとめて掲載し、引用した許可も取らねばならないのですが、まぁその辺は(^_^;)。


※これは2002年10月20日の「(多分)日刊日記掲示板」に掲載した物を編集・加筆修正したものです。


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