原作者自らが語る

『四霊獣の拳・補足事項』


どうも。いつも「Baskerville FAN-TAIL」をご覧戴きまして、有難うございます。
今回はタイトル通り「四霊獣の拳」についてあれこれ補足してみたいと思います。
本編と禁断の書をお読み戴ければ必要はないと思うのですが、この世界そのものの事、シャーケンの町の事、魔法の事と来たら、やっぱり次はこれだろうな、と。
という訳で、ネタバレ含めて説明していきます。


「四霊獣」というのは、こちらの世界でも有名な、中国が発祥の『青龍・朱雀・白虎・玄武』の四神の事です。
東の青龍・南の朱雀・西の白虎・北の玄武。それぞれがその方角を司る神獣の事であります。
この辺は語り出すとキリがないので、興味のある方はご自分でお調べ下さい。
そして同じく。四方を守護する者としてある1つが「四天王」。
四天王とは仏教における4人の守護神。須弥山の中腹で仏法を守護していると言われる神様の事であります。
東の持国天・南の増長天・西の広目天・北の多聞天(毘沙門天)。名前くらいは聞いた事がおありと思います。
これも語り出すとキリがないので、興味のある方はご自分でお調べ下さい。
これら2つを交ぜたものが、四霊獣の拳の「四霊獣」という訳です。
青龍に相当する『水神・龍王(すいじん・りゅうおう)』
朱雀に相当する『炎神・鳳王(えんじん・ほうおう)』
白虎に相当する『風神・虎王(ふうじん・こおう)』
玄武に相当する『地神・蛇亀王(ちしん・じゃきおう)』
……となり、四方と四大精霊を司る者、となっております。
そして四天王の名前は、後述する神器(武器)の名(サンスクリット語)で残っております。
これはあくまでもバーナム達の故郷での呼び名であり、それ以外でもこう呼ぶとは限りません。
同じ物でも場所が変われば呼び名が変わっても不思議はありませんからね。
the 1st.」でバーナムが『水神・龍王に願い奉る!』って言ってますでしょ。それゆえに四霊獣の拳とは、これら神の力を借りて行なう「魔法のような拳法」であるとも言えるのです。

本編でも何度か触れていますが、元々は人間相手ではなく通常の獣を越えた力を持つ「獣魔」用に編み出された物です。
拳法ですから必要なのは魔力ではなく「気」ですが、大がかりな技だとほとんど魔法にしか見えない物が増えますね。
上に書いたように4派に分かれているのですが、それは「気」の使い方——吸収・集中・放出・制御で分けられているだけで、個人が一つの流派の技しか使えないという事はありません。「気」の扱いというものは、上の4つのどれが欠けてもいけませんからね。
実際バーナムは「the 11th.」で鳳の拳や蛇亀の拳の技も使っていますし。

最大の特徴と言えるのが、免許皆伝の証である『水晶玉』でしょう。この水晶玉の力を開放して神器と呼ばれる武器を取る事もできますが、その際は黒い手袋が必要です。
さらに自らを獣人へ変化させてパワーアップする事ができます。
the 1st.」を見れば判りますが、獣人となった後は何日も眠りに陥りますので、あんまり使う事はないでしょう。
それに、スーシャは水晶玉が左の眼の中に。バーナムにいたっては心臓の位置にあります。
持ち主の肉体の一部となって次の世代が育つまで力を貸し続けるのですが、バーナムの場合は心臓ですからねー。将来どうなっちゃうんでしょう(自分が言うな(苦笑))。
パワーアップ法は他にもあるのですが、それを語るのは「the 17th.」にて。

それ以外は他の拳法と全く変わりません。
the 11th.」でも触れていますが、素手で戦う場合、身体の固い部分を相手に叩きつける事になります。
例えば頭、拳、指先(抜き手)、手刀、手の甲、手の平(張り手)、下膊(かはく:肘と手首の間)、肘、肩、膝、脛、踵、爪先、足の甲
ほとんどの徒手空拳の武術はこれらのいずれかで攻撃を加え、もしくは身を守ります。
人間の身体は関節の動く方向と範囲が限られているので、自然そのパターンも限られてきます。
「効果的に」「無駄なく」叩きつける動きだって、これまたパターンが限られてます。
そういう訳で「気」を使った大技を除けば他の拳法と大差ないと思います。
箇条書きに近いですが、各派の特徴をまとめるとこうなります。なお各流派の「水晶玉に浮かぶ文字」は、中国語を表示できる環境の方でないとうまく表示されません。ご了承を。


四霊獣龍の拳 水晶玉に浮かぶ文字は<龙>
この物語ではバーナム・ガラモンドが使います。
特徴は気の吸収。力押しタイプのパワー型の技が多い。バーナムはあまり使いませんが、実は足技が多い。
加護は水神・龍王。水晶玉の力で使える武器は「the 4th.」にも登場した<ドリタラストラ>という真っ青な片刃の剣。
登場している技は「龍爪(りゅうそう)」「龍哮(りゅうこう)」「龍舞(りゅうぶ)」「龍饕(りゅうとう)」「龍突(りゅうとつ)」「龍尾(りゅうび)」「龍声(りゅうせい)」「龍昇(りゅうしょう)」「龍膜(りゅうまく)」「龍鱗(りゅうりん)」「龍刺(りゅうし)」「龍纏(りゅうてん)」「龍王弾(りゅうおうだん)」。

水神・龍王:水の精霊と東の護りを司る神。青い甲冑を纏い、青い刀を持ち、龍の頭を持つ人間として描かれる。
性格は冷静で滅多に動じる事はなく、判断力に富む。しかしその分怒った時には情け容赦なく荒れ狂う。


四霊獣鳳の拳 水晶玉に浮かぶ文字は<凤>
この物語ではスーシャ・スーシャが使います。
特徴は気の集中。突き刺したり切り裂いたりするタイプの技が多い。
加護は炎神・鳳王。水晶玉の力で使える武器は「the 4th.」にも登場した<ヴィルーダカ>という真っ赤な鉾(ほこ)。
登場している技は「鳳挌(ほうかく)」「鳳搏(ほうはく)」「鳳鳴(ほうめい)」「鳳翔(ほうしょう)」「鳳王弾(ほうおうだん)」。

炎神・鳳王:火の精霊と南の護りを司る神。赤い甲冑を纏い、赤い鉾を持ち、鳥の頭に背に翼を持つ人間として描かれる。
性格は豪胆で荒っぽく大雑把、また暑苦しい。頭は悪くないが単純明快な事を好む。


四霊獣虎の拳 水晶玉に浮かぶ文字は<虎>
この物語ではゴーシャ・スーシャが使います。
特徴は気の(爆発的な)放出。ほとんどが手技や投げ技というのも虎の拳の特徴です。
加護は風神・虎王。水晶玉の力で使える武器は本編未登場だが<ヴィルパクシャー>という真っ白なロープ。
登場している技は「虎顎(こがく)」「虎頤(こし)」。

風神・虎王:風の精霊と西の護りを司る神。白い甲冑を纏い、白い索(ロープ)を持ち、虎の頭を持つ人間として描かれる。
性格は自由を尊び束縛を嫌うのでわがままと取られる事もあるが温和な性分。耳が早く情報にも通じている。


四霊獣蛇亀の拳 水晶玉に浮かぶ文字は<龟>
この物語ではイボテが使います。
特徴は気の制御。締め技・極め技・防御の技が主体なのが蛇亀の拳の特徴です。。
加護は地神・蛇亀王。水晶玉の力で使える武器は「the 11th.」にも登場した<ヴァイスラヴァーナ>という土色の棍。
登場している技は「蛇絞(じゃこう)」「亀楯(きじゅん)」。

地神・蛇亀王:地の精霊と北の護りを司る神。蛇が絡みついた土色の甲冑を纏い、土色の棍を持ち、亀の頭を持つ人間として描かれる。
性格は物静かを通り越して無口でマイペース。他力本願な姿勢が多い。しかし怒った時の荒れ狂い振りは龍王以上。


これからの話によって情報が付加されるとは思いますが、こんな感じでお判りになるでしょうか。
ここで中国関係に詳しい方ならこう思ったでしょう。
『中国は五行思想だから「地・水・火・風」じゃなくて「木・火・土・金・水」じゃ?』
確かにそれはその通りでありまして、本来の属性は『青龍=木朱雀=火白虎=金玄武=水』となります(もっとも、諸説あるけどね、コレ)。
『そっくりそのままやったんじゃしょうがねーだろ』というのもありますが、四方に無理に割り振ったのでこうなったとする方が正確かな。
でも。実は残る『木』と『金』に関する方々も出演予定がございます。
それが何かっていうのは、こういった事に詳しい方なら見当がつくと思います。
けど、最初に載るのは冊子の方だから、ネットに載るのは何年先の事になる事やら(苦笑)。

——Kriff-Anotherd

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